残日録25 「ボーと生きてんじゃねえよ!!」

 「チコちゃんに叱られる!」チコちゃんの質問に答えられないと「ボーと生きてんじゃねえよ!」と叱られる。正解した場合、一人の時は「つまんねー奴だなぁ」複数いると「つまんねーんだよ お前らは!!」そして正解に近い場合は「やりにくいなー」

 「ボーと生きてんじゃねえよ!」これを図書館業界人に向けて言いたい気分になることがある。だがしかし、そう言いたくなる状況になることに、お前は加担していたではないか、と言われれば、反論する余地はない。という前振りをしておいて、話を進めることにする。

 私宛の先輩からのハガキがでてきた。1991年1月より私が準備室長としてかかわった高月町立図書館は1993年4月に開館した。その後、20年間、館長として勤めることになった。そこを定年退職して、大学教員になった春に届いたハガキである。

 

  4月から環境が変わり、精神的には誰にも拘束されず、気分転換ができたのではないかと思います。君 が「みんなの図書館」で『市民の図書館』を批判したことにより、図書館人として、いろんな人達にマ イナスイメージを持たれているのをご存知ですか。老婆心ながら大学教授として、余り過激な発言は控 えて、学生達のことを中心に考え、彼らのためにご尽力ください。

  全く余計なことかもしれませんが、君に誰も面と向かって、私のように言わないでしょうから・・・ ・・・。

  失礼しました。お元気でご活躍ください。

 

とあった。こういうことを言っていただけるのは、有難いことである。ただ、返事は書かなかった。

 「批判したことにより」という部分に引っかかるところがあって、そのことについて私信で書く必要はないと思った。「『市民の図書館』再読」という拙稿は、歴史的に位置付けた内容であって、批判しているのではない。「み」2018年6月号に書いた「図問研の大会基調報告案にみる資料提供:資料提供について考えた(その4)へと継続する問題意識のもとの発端のような位置にある。

 「図書館人として、いろんな人達にマイナスイメージを持たれているのをご存知ですか」については、何となく感じていることではあった。

 現役の時に、日本図書館協会の常務理事としてNHKからの取材に応じたことがあった。クローズアップ現代が「無料貸本屋論争―複本問題」のテーマの時である。2時間ほどインタビューされた。カメラマンがディレクターに、右から写すのか、左から写すのかを聞いた。左からと指示をだした。画面の左側に中央に向けて顏が映ることになるので、これは悪役だと受け取った。それからは、勝手に都合よくカットされないように、だらだらと続くようにしゃべった。ベテランのカメラマンは見抜いていたが、若いディレクターは気付かなかったか、気づいていたが経験不足で、うまく取材できなかったのだろう。12過ぎにタイムオーバーであった。

 幸いなことに、クローズアップ現代では取り上げられなかった。ほっとしていたが、後日、Iさんから「明定は取材を受けたのに使われなかった、と小馬鹿にしている奴が関西にいる。使われないのも、使わせないのもわかっていないのがいるぞ」と教えられた。そんなことを吹聴している業界人がいることを知った。

 私のことを嘲弄することで、前川ムラの住民として「ボーと生きてんじゃねえよ!」、と当時なら言ってみたい気がする。

 前出のハガキにもどると、「大学教授として、学生達のことを中心に考え、彼らのために」尽力する,

しようとしたが、「余り過激な発言は控えて」いたかどうかは、評価が分かれるところだろう。すこぶる平常心からの発信であったように思ってはいるのだが。

2018年09月08日