本の値段 黒木書店で

 

コンセプト

その昔、神戸の黒木書店の店主が、本の本当の値段は古書店がつけるのだ、と言っておられた。定価は出版社の仮説であり、本当の商品価値は、世に出た結果(実験)が古書店の価格になるという。ちょっととっつきにくい方のように書かれてもいるが、気にいっていただけたのか、何度か親しく話しかけてくださったことがあります。黒木書店で購入した本の一冊が磯崎新「手法が」。当時、2800円の値付けがしてあった。建築に関心を持ち始めた頃に出合った一冊。 

その後、長谷川堯氏の評論にのめりこみ、村野藤吾と出会うことになります。村野の「建築家1%論」に大いに影響を受けた。

                                                                                         

 明定義人「〈本の世界〉の見せ方 明定流コレクション形成論」

Facebookでの評

 明定の選書論は、反省的実践者たらんとする公共図書館の司書たちに影響を与えてきたと思う。明定の文章は、やさしい言葉でありながら刺激的であり、自分の考え方をゆさぶってくいる。一線の公共図書館に勤めていて、本書がまったく刺さるところがない人と共に働くのは難しい、というのは言い過ぎだろうか。

楽しい貸出、利用者を否定しない棚、パチンコ本論争、精神衛生的治療文化論(中井久夫)、層としての利用者/量としての利用者、選書をする図書館員としての私、実用書重視、仮設―実験、偏ったコレクション形成、図書館員1%論(村野藤吾)etc. と明定が提出してきた論が私にとっても選書論のベースの一つになっていることは疑いえない。

著者としては、過分のお言葉をいただきました。感謝。「是非一般向けの本を書いてもらいたい」とあるが、その前に「資料提供」と「児童サービス」について書くことにしている。