2021の賀状

頌春 

年明け早々、幾度見直しても影の薄れた自分の顔が、こいつが宿命的にあんまりいい出来でないことをまた見定めた。御蔭でいわゆる余計者の言葉を確実に所有した。余計者もこの世に断じて生きねばならぬ。過去というものと虚栄というものと、この二つの後始末さえもできないまま、月並みな老いの嘆きのただ中にある。

余計者にも語りたい一つの事と聞いて欲しい一人の友は入用なのだ。

 

元ネタ;小林秀雄「Xへの手紙」

2021年03月08日