LGBTQQIAAPPの物語——残日録250410
いささか古いのだが橋爪大三郎ブログ「アメリカでいま「一夫一妻」ではない「複数婚(ポリアモリー)」が広がるワケ」 2021.12.28 から知ったことだが、
人びとの多様性を認め、さまざまな生き方を支援するのは、ここ数十年の大きな社会の流れだ。ゲイとレズビアンから始まって、LGBTになり、LGBTQになり、KGBTQ+になった。「+」は、もっといろいろあります、の意味である。
どういろいろか、全部並べると、だという。
順番に、
Lesbian/gay/bisexual/transgendaer/queer/questioning/intersex/asexual/allies/pansexual/
Polyamorous/polysexual
の頭文字をとったものだ。
とあった。
Lesbianは 女性間の同性愛の関係をもつ人
Gayは 男性間の同性愛の関係をもつ人
Bisexuall 男性にも女性にも見られる、異性・同性の両性に向けて性的嗜好をもつ人
Transgendaer 性同一性や性表現が、出生時に割り当てられた性別と一致しない人
Queer 異性愛や性的二元制を規範とする社会に違和感を覚える性的指向、およびそれを自己肯定的に用いる言葉
Questioning 自身の性自認や性的指向などが定まっていない状態の人
Intersex 男性または女性いずれかの典型的な身体に当てはまらない性的特徴(染色体・生殖腺・性器など)を持って生まれた人
Asexual 他者に対して性的欲求を抱くことが少ない、または全く抱くことがない人
Allies 性的マイノリティを理解、支援しようとし、偏見や差別をなくすために行動する人
Pansexual 男性と女性という2つの性別を中心に性的に惹かれるバイセクシュアル(両性愛)と違って、すべての性別を恋愛・性愛の対象にする人
Polyamorous 関与する全てのパートナーの同意を得て、複数のパートナーとの間で親密な関係を持つことまたは持ちたいと願う人
Polysexual 複数のセクシュアリティを好きになる人
ネットで検索したら以上のようになった。
Bisexuall、Pansexual、Polysexual の違いについは文字面での違いしかわからないので、知りたければ検索されたし。
TVドラマ「ふったらどしゃぶり」(原作;一穂ミチ)の主人公の半井整と萩原一顕は共にセックスレスに悩んでいた。
TVが簡略版のような展開だったので、原作を読んでみた。
半井の同棲相手は工業デザイナーの幼馴染の藤澤和章。半井は藤澤にセックスを求めるが、避けられてしまう。藤澤は半井と共に暮らしたいのだが、セックスは拒むのだった。
藤澤はホモセクシャルなのだが、半井を抱え込むばかりで体の関係をもとうとしない。それは藤澤の半井への過去の贖罪のような意識が作用している。
萩原の同棲相手はネイリストの水谷かおり。同棲し始めた頃はセックスをしていたのだが、このところセックスレスの日々が続いている。水谷は「性交」が苦手なのだ。「性交」抜きの合宿のような関係を求めているのだろうか。
観る者、読む者に、そういうセックスレスの原因は物語の終盤になって語られる。
話は主人公たちの出会いから、同棲相手との別れ、ホモセクシャルな関係になるまでの時間を描いている。
先に上げたセックスの多様性が紡ぎ出す物語のひとつとして、ゲイとアセクシャルがさり気なく組み込まれている。ゲイとしての半井の描かれ方は取り立てるほどのことはない。異性愛者の萩原が半井と恋人関係になるところが、展開として、描写として難しいところだ。萩原がゲイなのか、バイセクシャルなのか、それとも……、についての展開はないのだが、BLとして少しはみ出したところがある、との読後感があった。
BLは「オメガバース」
—キャラクターは男女といった性別のうえに「アルファ」(英語: Alpha)、「ベータ」(英語: Beta)、「オメガ」(英語: Omega)の3つに分類される「第二の性」(英語:
secondary gender)を持つ[5][19]。オメガバースが「A/B/O」とも呼ばれるのはこのためである[5]。オメガバースにおいては性別が6つ存在することになるが、多くの作品ではアルファの男性とオメガの男性の関係が描かれている(Wik)—
の物語を欧米から導入している。
1冊読んでみたが、差別的な性の階層があるように読めた。欧米のオメガバースがどうなっているのか未読だし、もっと読んでからの判断となるのだろう。
ちょっと遡って、と思い、若い頃、手に負えなかったル・グイン『闇の左手』を読んでいる途中。SFが苦手なのでなかなか進まない。両性具有の社会の物語でオメガバースとは違っている。
4月6日(日)神戸文化ホールで「KKC音楽祭2025」という合唱の会があり、所属している男性合唱団「風」の一員として参加した。神戸の「クレセント・ハーモニー」と「神戸男性合唱団」との合同発表会で、今年が3回目(←2019、2023)だが、昨年の春から参加しているので初めてだった。星野富弘作詞、新美徳英作曲「花に寄せて」を唱った。パートがベースのせいもあって表現が苦手だ。音がとりにくいところなどは口パクですごすが、唱っているような顔はしている。合同演奏は、北原白秋作詞、多田武彦作曲「柳川風物詩」。こちらはグリークラブの定番のような作品で、20歳代の頃になかの1~2曲は唱ったことがある。これはあまり譜読み練習されないで、いきなりのごとく表現チェックだった。
6月には「風」の定期公演が姫路である。前記「花に寄せて」と伊藤整作詞・多田武彦作曲「吹雪の町を」とロバート・ショウの編曲集の3本。最後のが英語だったりドイツ語だったりして、その上、ものすごく早口のところがあったりして、苦戦している。
六夢堂を閉店して、ぼつぼつ加古川への移転の準備にかかる。65歳で大学の研究室から段ボール箱で送った本も、この際、加古川に送ろうとしている。大きい段ボールに入れたまま物置に置いていたが、持ち出すとなると、これが重くて一人では運べない。ツレにご協力を願っている。100サイズの段ボールに入れ替えることにする。72.5歳にして体力の衰えを痛感する。(尤もその間に入退院があるのだが。)
本棚の解体や捨てるものいろいろ、をぼつぼつ始めることにする。